本当のリスク管理(水沼貴史:日経朝刊スポートピア)


前段は先の予選での豪州の守りを誉め、中段はそれに対する日本のチャレンジ不足を指摘、後段は中沢の「トップつぶし」に感謝、相手のミスを待つのではなく「チャレンジ&カバー」が真のリスク管理だと締めくくる。


ちょっと牽強付会な気もするけれど...言いたいことは分かるので、そうかなと。




で、気になったところは以下。


・「サッカーは一番技術のある人間が一番シビアなところに分け入ることで何かが起こるスポーツである。」と水沼氏は書いている。そうだなとも思うけれど、どちらかというと「何かを起こそうとするなら、一番技術のある人間が一番シビアなところに入らなければいけない」などと、もっと責任追及的に書いたほうがしっくりくる。一番「うまい」やつは突っ込んでいく義務がある、じゃなきゃ「うまい」なんて言ってやらん、それぐらいの覚悟が評論家にもいるんじゃないの。



・「足の短さを振りの速さに転化したシュート」と氏は言うが、確かに同じ蹴り方なら短い方が振りは速いけれど、蹴り方を変える、すなわち膝から下の振りや大腰筋の使い方次第で長い脚でも十分「素速く」蹴れると思う。そういった意味では、脚の長さとシュートスイングの「速さ」は余り関係がない。



・「対峙する相手をつぶしに出ても大丈夫なチャレンジ&カバーの仕組みをしっかり構築しておくことだ。」と氏は言う。そうだなとも思うが、やや揚げ足取り的に言うと「仕組みを構築」というのはミスリードだと思う。これは選手各人の「習慣」とか「クセ」の問題だし、それまでかつその場での「コミュニケーション」の問題だと思う。




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